2005年06月24日

SS投下 [雑記>ゴミ箱]

腐ってるので閲覧には充分にご注意を。ロクブルです。
仮タイトル「Ruin」、テーマは「電脳世界の限界」、シリアスと何か読んでて楽しくなれない話なのは確実なのですが、書いたからにはPCにひっそり隠しとくのも寂しいので晒してみます。
えろいムードだけは漂ってる(つもりなの…)ですが、実際には殆ど何にもやってないので年齢制限とかも無しッス。ご安心を(?)

あ、ゲーム1作目のネタバレ(彩斗兄さんの正体)がありますので、嫌な人は読まない方が良いかと。
(とか言ってる自分は5のチーム・オブ・ブルースしかやってないんですがw)
あとがきなんぞも用意してみましたので、そういうの好きな方は最後の空白をスクラッチして下さいませ。
覚悟が出来た方は下のリンクからどうぞ。




- Ruin -

唇同士を接触させる。舌が口内に侵入し、オレの舌を突っつく。
酷く無意味な行為。
――舌という器官は、表情のバリエーションを増やすためだけに存在している。
絡めるなど複雑な動きはできない、なのに諦めず突っつき続け…暫くして唇と連動して離れた。

「君はこの“制約”に違和感を持たないのだろうね」
「どういう意味だ」

オレの言葉を無視して彼は今度は抱き付いてきた。
胸にナビマークで隠れた耳を押し付けている。

「…何も聞こえない」
「だろうな」

オレの返答を聞くと、彼はまた諦めたように離れた。
4分11秒前から意図不明の彼の行動を処理できない。オレは彼の名を呼ぶ。すなわち、

「ロックマン?」
「……ねぇブルース」

目を軽く伏せたまま、彼はオレの手をとった。
握ったり摘んだり突ついたり。特に目的があるのではなく、漫然と弄っているだけらしい。
…漫然と、だなんて。ナビに用いられる形容ではない、本来は。
明確な意思のない行動を起こす生物は、この世界には居ない筈なのだから。

「君は知ってるよね? ぼくはかつて、あのウィンドウの向こうの世界に存在していたこと」
「…ああ」

目の前のナビは、実在した人間のDNAデータを持つ特殊なナビだ。
――光 彩斗。
炎山様と同等の能力を持つNS、光 熱斗の双子の兄。

「ぼく――の前身――が死んだのはとても小さい頃で、物心なんかついてなかった。
DNAデータが組み込まれてるからって、記憶まで移植されるワケもない。
それでも、憶えてるんだ」
「……」

オレは何も言わずに、ただ静かにロックマンの言葉を待つ。
人間の――現実世界の事が知りたかったのだ。少しでも炎山様を理解して差し上げられるように。
でも彼の言葉はオレの期待したような類の物ではなかった。

「ここでの感覚は全てデジタルで、人間には分からないレベルで動きも制限されている。
ぼくにも、」

彼は先ほどから掴んだままのオレの手を握り直し、

「君のこの手にも血なんて通ってないし、」

一緒に胸まで持ち上げ、

「鼓動も無い」

離した手をオレの股間まで滑らし、

「生殖機能なんて必要ないから、性器もない」

赤い舌をぬっと出して、

「これだって出すか引っ込めるか程度――」

そしてまた手を伸ばす。胸を掠める距離。

「――君には当たり前のこの状態が、ぼくは慣れなくて落ち着かなくて、
そしてどうしようもなく怖いんだ。
本当にぼくが生きていないと実感させて」

“実感”なんてオカシイね、と力無い笑みを浮かべる彼の顔。
ナビでこんな表情が作れるのは、電脳世界中すべて探してもロックマンだけだろう。
オレには何一つ理解できない――“実感”出来なかった。
でも彼の言いたいであろう感覚を少しでも想定してみると……とても恐ろしかった。

ロックマンは、普通のナビとは一線を画している。
機能的にも、構造的にも――オレにとっても。
他のナビとは違う情報を彼は常に身に纏っている。

魅入られている。

そう結論付けた思考ルーチンは、目の奥で赤く明滅している。
危ない、と。
このまま彼と接触を続ければ、オレという存在は消滅せざるを得ない。
根拠は無いが、そう確信していた。
全身に震えが走る。すぐに離れろと思考回路は信号を流し続けている。
動け、と脅迫のような強制力が襲い掛かる。

しかしオレは動かなかった。
全身を襲う強迫観念に徹底的に抗い、命令を無視し続け、ここに立っていた。
この異端の存在から目を離したくなくて。
それこそが彼に魅入られた証拠だと理解していながら。

同じ世界の誰とも感覚を共有出来ない彼は、デリートされるその時までずっと孤独なのだろう。

「ブルース」

彼の腕がオレの上腕に触れる。そのまま掴み、そして引っ張られる。
すっぽりと抱き締められた。

「何だ」

自分からも腕を回し、小柄な青い体を包む。
こんなもの、全て幻想だ。

「君が羨ましいんだ」

彼が背伸びをし、オレが俯き、また唇同士を触れ合わせる。
酷く無意味な行為。
――それは接触以外の意味を持たない。
存在しない性欲など喚起できないし、恋人同士が愛を確かめる行為には程遠い。

ただ期待を裏切られるために。
自分の肉体に絶望するために。

「ブルース」

あと3ピクセルで触れ合う距離で囁く彼。
それはサンプリングされた他のナビの声とは違い、“生きている”。
やはりこの異端の存在にオレは取り殺されるのだろう。
それも悪くないと、むしろ憧れさえ感じられて。

「もう逃がさない」

まるで愛の告白のような台詞と同時に、ロックマンは――…


Fin

最終的にブルースがどうなったのかはご想像にお任せします。
電脳世界を描写したかったモノ。現実世界とは全然違うぞ、っていう。
なんつーか…影響受けまくってますな。何にとは言わないけど。
本人はカケラも出ないのに文中に「炎山」が2回も出てくるのは、ブルースの忠誠心の描写というか、出さないと作者が落ち着かないからというか(マテ。

自分の肉体に絶望するというのは、馬鹿げた無駄な行為に思われるだろうが、しかしそれを定期的に行い諦め続けないと、そこがPETの中だろうが現実だろうが、そこに現在と同じように存在している事は出来なくなるから。
でもやり過ぎると諦めグセがついてしまうんだから、生きていくことって本当に難しい。
じゅにスラ 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記>ゴミ箱
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